遺伝の演習
Web版 2020.4改訂
はじめに
生物の授業で「遺伝」を扱うと、「まったくわからない」という生徒が急増する。 ところが、「遺伝は簡単でわかりやすい」という生徒もいて、 「遺伝」は得意・不得意がはっきりする分野である。この差はどうして生じるのであろうか。
それまでの授業の延長で「生物」を暗記科目と考えていたのでは「遺伝」は理解できない。 「演習」をしないで「遺伝」を理解するのは不可能なのである。 このことに早く気がつくかどうかの違いが「遺伝」の得意不得意の差となる。
最初は遺伝学用語など とっつきにくいが、いくつかの基本的パターンをマスターすれば、これほど簡単なものはない。 「演習」となると個人差が出るので、生徒個人の理解度に応じて進めることが望ましい。 「演習」を行い「遺伝の基礎」を理解するために作られたのが本書である。さらに、入試問題も盛り込んであるので 授業や定期考査だけでなく、難関校の受験にも対応できるようになっている。一日も早く「遺伝は簡単」 と言えるようになってほしい。
高校でメンデル遺伝学が削除され、「中学校に移行した」ことになっているが、中学校で学ぶのは、一遺伝子雑種の「3:1」だけで、二遺伝子雑種は全く出てこない。ABO式血液型や伴性遺伝は高校までに学習する機会がなくなってしまった。高校の「生物」では、いきなり、「連鎖と組換え」が出てきて面食らうことになるが、二遺伝子雑種の「演習」をやっておけば、「連鎖と組換え」を理解するのが容易となるだろう。
使い方
目次
演習・問題一覧
冊子版「遺伝の演習」について
(C) 1997-2020 Takashi Saigo