1-4 1対の形質に注目した交雑実験
メンデルは1対の形質に注目して、かけあわせの実
験をおこなった。かけあわせのことを遺伝学用語では
交雑 (交配)とよび、生じた子を 雑種第一代 (記号 F1 で表す)とよぶ。
種子の形について、丸形の純系としわ形の純系を親
(記号 P で表す)として交雑したところ、 F1 はすべ
て丸形であり、しわ形のもの、中間形のものは生じな
かった。
注)Pは Parens (ラテン語、親の意)、Fは Filius (ラテン語、子の意)
メンデルの偉大な点は、エンドウの7つの対立形質について同時に取り扱うことを
せず、まずその中の1対の対立形質のみに注目したことである。それによって複雑な
現象を単純化して考察できたわけである。たくさんある形質のうち、1対の対立形質
に注目して交雑してできた雑種を一遺伝子雑種(または単性雑種)という。
注) 交雑 と 交配 は厳密には異なる。交配は自家受精をふくめてかけ合わせ一般に用いられるが、交雑は異なった遺伝子型のものを交配するときに限定される。
[研究2] エンドウでは放置しておくと自家受精してしまう。交雑をするときにはどん な操作が必要であるか考えてみよう。
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