4-3 致死遺伝子


 単性雑種の F1 の分離比は3:1となるはずであるが、ハツカネズミの体色の遺伝に おいて2:1の分離比となり、メンデルの法則が誤っているのではないかと、問題と なった。結局、顕性遺伝子ホモの場合に致死効果が現れ、母体内で死んでしまうため に、3:1とならず、2:1となることがわかり、メンデル性遺伝の変形であること がわかった。このように致死効果が表れる遺伝子を致死遺伝子という。

<例>ハツカネズミの体色

 黄体色(Y)は正常体色(毛色が黒色、y)に対し潜性であるが、致死遺伝子であるため、黄色ホモの個体(YY)は母親の体内で死んでしまうので生まれてこない。したがって黄色の個体はすべて遺伝子型Yyで、黄色同士の交雑では黄色と黒色が、2:1で生じる。


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