4-4 補足遺伝子
1つの形質を決める時に、2つ以上の遺伝子が関与している場合がある。この場合
にも遺伝子の相互関係には、いろいろな場合がある。2つ以上の遺伝子が、お互いに
補足しあって働く時、これらの遺伝子を補足遺伝子という。
<例1>スイトピーの花の色
スイトピーの花の色には有色のものと、白色の
ものがある。これには、2つの遺伝子CとPが関
与している。Cは前駆物質から色素原を作る遺伝
子、Pは色素原を色素に変える遺伝子である。
CとPが共存すると、補足し合って花は有色にな
るが、片方だけでは花は白色になる。
遺伝子C 遺伝子P
↓ ↓
前駆物質 → 色素原 → 有色色素
※4-4以降、「補足遺伝子」、「条件遺伝子」などの遺伝子の名前が出てくるが、その名前を覚えることはそれほど意味のあることではなく、
遺伝子の相互作用として考えるべきである。この例のスイトピーの花の色などのように、一連の化学反応にはいくつもの遺伝子がかかわっている。実際には化学反応ごとに酵素が存在し、それらの酵素はそれぞれの遺伝子の遺伝情報をもとに作られる。
【他の例】<ニワトリのとさかの遺伝>
演習29
演習30
次の項目へ 第4章の目次へ