6-1 連鎖



 1906年、遺伝学者ベーツソンはスイトピーの花色(B紫b赤)と花粉の形(L 長 丸)の遺伝について研究したところ、BBLL(紫花長花粉)と bbll(赤花 丸花粉)の交雑でできた雑種第1代であるBbLl(紫花長花粉)を自家受精してできる雑種第2代の分離比が 9:3:3:1にならないことを発見した。この雑種第1代のBbLlにbbll(赤花丸花粉)をかけあわせて、検定交雑を行なったところ分離比は1:1:1:1とはならず、7:1:1:7となった。
この現象を理解するには、遺伝子の染色体上での位置関係を考える必要がある。
 B(b)、L(l)が別々の染色体にあれば、BbLlがつくる配偶子は BL:Bl:bL:bl =1:1:1:1 となり、雑種第2代の分離比も 9:3:3:1になる。
 BとL、bとlが同じ染色体にある場合を考えると、BとL、bとlは行動をともにするので、BbLlからはBL、bl の2種類の配偶子以外は生じないことになる。 この場合、BとL(bとl)は 連鎖しているという。
 メンデルの独立の法則が成り立つのは、別の染色体にある2つの遺伝子を扱う場合であって、連鎖がある場合には独立の法則は成り立たない。

独立     連鎖


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