【参考】 野生型遺伝子記号 +


 突然変異は劣性のものが多く、ショウジョウバエの場合、黄体色遺伝子y(=yellow)、 白眼遺伝子w(=white)、短翅遺伝子m(=miniture)のように、遺伝子には潜性形質にちなんだ小文字の記号が使われている。 これらに対する顕性遺伝子としては、Y、W、Mが使われることもあるが、+が使われることが多い。 +は野生型に対応する遺伝子記号であって、野生型とは、突然変異でない自然界に普通に生息するタイプ (体色は黄褐色で眼は赤眼で翅は短くない)である。

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ywm


 上の遺伝子型で、3つの+はそれぞれ野生型遺伝子である。記号は同じだが、それぞれ別のものを示している。 最初の+はyに対する顕性の野生型体色遺伝子で、次の+はwに対する顕性の野生型眼色遺伝子で、 3つ目の+はmに対する顕性の野生型翅遺伝子である。これらは、それぞれy、w、mを+の右上に書いて区別することもあるが、 3つとも単に+と表すことも多い。わからなかったら、Y、W、Mと置き換えて考えればよい。

これまで、ずっと顕性遺伝子に注目して遺伝子記号を設定してきたが、突然変異の多くは潜性でこちらに注目して遺伝子記号が設定されているので、混乱しないように注意したい。


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