1-1 遺伝の法則の発見


 19世紀後半、オーストリアのブリュン(現在チェコのブルノ)の修道院長であった メンデル (G.J. Mendel 1822-1884)は エンドウ の遺伝を研究して、遺伝の法則を発見した。この法則が掲載された論文は1865年に「雑種植物の研究」として発表されたが、当時、この成果は理解されず、メンデルは評価されないままに世を去った。
 その後、1900年になって、3人の生物学者がそれぞれ別々にメンデルと同じ遺伝の法則を発見した。この時、初めてメンデルの偉大な業績が高く評価され、彼は「遺伝学の父」と呼ばれるようになった。(1900年を遺伝学史上記念すべき年として メンデルの法則の再発見 の年と呼ぶ。)

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補足
 メンデルの原論文は Versuche über Pflanzen-Hybriden (1865) で メンデル・ウェブMendelWeb (http://www.mendelweb.org/MWGerText.html )で見ることができる。ここには、英訳版もあります。また、日本語訳は岩波書店から「雑種植物の研究 」(岩波文庫) として出版されており、 岩槻邦男, 須原凖平の訳によって読むことができる。(1999年の新訳である。)