解説
ABO式血液型は赤血球の表面に存在する凝集原によって決まる。A型のヒトの赤血球には凝集原A(問題文ではA型凝集原)のみが存在し、B型のヒトの赤血球には凝集原Bのみが存在する。AB型のヒトの赤血球には凝集原Aと凝集原Bの両方が存在し、O型のヒトの赤血球には凝集原Aも凝集原Bも存在しない。
1991年のセンター試験追試問題で、オリジナルでは「凝集原」が使われているが、ここでは、「A型物質」「B型物質」とした。
(1) Iの考え方に従えば、A型の遺伝子型はAAbbかAabb、B型の遺伝子型はaaBBかaaBb、AB型の遺伝子型はAABB、AABb、AaBB、AaBbのいずれかとなる。また、O型の遺伝子型はaabbとなる。
(2) Iの考え方に従えば、両親がA型である場合には、遺伝子型では(1)AAbb×AAbb、(2)Aabb×Aabb、(3)AAbb×Aabbの3通りが考えられる。(1)と(3)の場合、子はすべてA型となる。(2)の場合、子はA型とO型が考えられる。
両親がA型とAB型の場合は複雑で、子はすべての血液型が生じる可能性がある。例をあげると、Aabb×AaBbからはaabb(=O型)が出る。AAbb×AABBではAB型のみ生じる。Aabb×AaBbからはaaBb(=B型)も出るAabb(=A型)も出る。
(3) 現在の考え方(U)では、A型はAAとAO、B型はBBとBO、AB型はAB、O型はOOである。Tの考え方との違いをすべての組合せでチェックするのは大変なので、選択肢@〜Dについて検討する。
Iの考え方 |
Uの考え方 |
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@O型とA型 |
aabb×AAbb→A型 |
OO×AA→A型 |
AO型とB型 |
aabb×aaBB→B型 |
OO×BB→B型 |
BA型とA型 |
AAbb×AAbb→A型 |
AA×AA→A型 |
CA型とB型 |
すべての可能性あり |
すべての可能性あり |
DO型とAB型 |
すべての可能性あり |
OO×AB→A型 B型 |