解説
わかりにくい文章もありますが、センター試験問題なのでそのまま掲載してある。
文章が長いですが、内容は単純で、次のようにまとめることができる。
1.野生種は脱粒性で顕性、栽培種は非脱粒性で潜性。
2.栽培種には遺伝子型の異なる東洋型と西洋型がある。
3.野生種と栽培種は、どちらも遺伝子型はホモ
4.表1の結果は、野生種はAABB,東洋型栽培種はaaBB, 西洋型栽培種はAAbbとすると説明できる。
(1)下線部アの文がわかりにくいが、Aとaの対立遺伝子によるAA、Aa、aaの3つのパターンでは説明できないということである。野生種、東洋、西洋の3タイプある場合でも、顕性/潜性関係のない1対の遺伝子で考えれば、AA、Aa、aaのようにとりあえず対応させることはできる。選択肢の@ACはこの場合でも矛盾は生じない。しかし、「野生種と栽培種は、どちらも遺伝子型はホモ」という記述と合っていない。
(2)東洋型(aaBB)×西洋型(AAbb)のF1の脱粒性個体の遺伝子型はAaBbとなる。
(3)東洋型×西洋型のF2で分離した脱粒性個体の遺伝子型は、
AABB:AABb:AaBB:AaBb=1:2:2:4となる。
|
AB |
Ab |
aB |
ab |
AB |
AABB 脱粒性 |
AABb 脱粒性 |
AaBB 脱粒性 |
AaBb 脱粒性 |
Ab |
AABb 脱粒性 |
AaBb 脱粒性 |
||
aB |
AaBB 脱粒性 |
AaBb 脱粒性 |
||
ab |
AaBb 脱粒性 |
(4) 選択肢の文をみると調べたい栽培種が西洋種である場合を考えればよいことになる。野生種はAABB,東洋型はaaBB,西洋型はAAbbであるので、
@ACD 未知AAbb×aaBB(東洋型)→AaBb(野生種タイプ脱粒性)
未知AAbb×AAbb(西洋型)→ AAbb(西洋型)
→@ADはあてはまらない。Cがあてはまる。
B 未知AAbb×AABB(野生種)→ AABb(野生種タイプ脱粒性)
未知AAbb×AAbb(西洋型)→ AAbb(西洋型)
→Bはあてはまらない。
(5) @は本文から正しいことがわかる。Aはそんなことをする必要はないが遺伝子を調べれば区別できることは明らか。B栽培オオムギに野生オオムギの花粉がかかれば、子にはA遺伝子とB遺伝子が伝わるので、その子孫に野生オオムギが出現することはある。Cこれは正しい。