6-10 遺伝子地図


  いろいろな遺伝子の間で、三点交雑を行なうことにより、染色体上での遺 伝子の配置を図に示すことができる。このようにして作られたのが、染色体の遺伝子地図(染色体地図)である。

例  キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)の遺伝子地図(T〜Wは染色体番号。一部の遺伝子のみ記してある)


※現在では、DNAの塩基配列を直接読むことができるので、このような交雑によって遺伝子の位置関係を調べる必要はなくなっている。遺伝学者トーマス・ハント・モーガンの弟子の一人であるスターテバントが1913年にショウジョウバエの遺伝子地図を作製したが、当時は画期的なことであった。

※ヒトについても遺伝子地図は作成されていて、ヒトゲノムマップが公開されている。
https://www.mext.go.jp/a_menu/kagaku/week/genome/a3.pdf
このゲノムマップもDNAの解析(ヒトゲノム計画)から作られてものである。
ヒトの場合、交雑結果で遺伝子の位置を決めることなど到底できないことである。。


[研究] 遺伝子の位置関係を調べ、染色体地図を作るとき、一般に数%程度の くみかえ率のもの(遺伝子間の距離の短いもの)を調べて作っていく。 遺伝子間の距離が長く、くみかえ率の大きなものを用いると 染色体地図が不正確なものになってしまう。この理由を考えてみよう。

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