6−11 三点交雑のデータから遺伝子聞の位置関係を求める


<例題>  遺伝子型AABBDDの個体と遺伝子型aabbddの個体を交雑して F1 をえた。このF1 に、遺伝子型aabbddの個体を交雑したところ、次のような結果が得られた。 この結果から遺伝子地図を作成せよ。
表現型 [ABD] [ABd] [AbD] [Abd] [aBD] [aBd] [abD] [abd]
個体数
(総数1000)
430 2 48 17 18 47 3 435


<解法>  F1 の遺伝子型はAaBbDdである。3つ同時に扱えないので、AとB、AとD、BとDの関係を 別々に考えていき、それぞれのくみかえ率を計算する。

@AとBについて考える(Dを無視して考える)
  [AB]:[Ab]:[aB]:[ab]
  =[ABD]+[ABd]:[AbD]+[Abd]: [aBD]+[aBd]:[abD]+[abd]
  =430+2:48+17:18+47:3+435
  =432:65:65:438
1:1:1:1でないから、AとBは連鎖していて、
くみかえ率は(65+65)÷1000×100=13%

AAとDについて考える(Bを無視して考える)
  [AD]:[Ad]:[aD]:[ad]
  =[ABD]+[AbD]:[ABd]+[Abd]: [aBD]+[abD]:[aBd]+[abd]
  =430+48:2+17:18+3:47+435
  =478:19:21:482
1:1:1:1でないから、AとDは連鎖していて、
くみかえ率は(19+21)÷1000×100=4%

BBとDについて考える(Dを無視して考える)
  [BD]:[Bd]:[bD]:[bd]
  =[ABD]+[aBD]:[ABd]+[aBd]: [AbD]+[abD]:[Abd]+[abd]
  =430+18:2+47:48+3:17+435
  =448:49:51:452
1:1:1:1でないから、BとDは連鎖していて、
くみかえ率は(49+51)÷1000×100=10%

@〜Bより、遺伝子地図は次のようになる。


     A   D     B
    ─┼───┼─────┼──
      4%   10% 
※左右が逆の並び順でもよい
   ※AD+DB=14%となるのに、AB=13%となっているのは、 遺伝子間の距離が長いと二重交さが生じて、その分だけくみかえ率 が減少してしまうからである。一般に、距離が長くなると誤差が 大きくなるので、小さい方の値を採用することになる。

   <参考> 巨大染色体

前の項目に戻る      演習58に進む   第6章目次へ