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キタノメダカとミナミメダカ
メダカは研究者の間ではMEDAKAとして世界中で通じるモデル動物であり、生物学のいろいろな分野で活用されてきた。日本に生息するメダカは、19世紀半ばにシーボルト(Philipp
Franz Balthasar von Siebold 1796-1866年)が海外に紹介して以来、Oryzias latipes の1種であるとされてきたが、1980年代に酒泉満・新潟大学教授の分子遺伝学的研究によって、青森県から京都府の日本海側に分布する「北日本集団」と、それ以外の「南日本集団」に大別できることが分った。
しかし、主に形態的特徴から種を区別するという分類学の立場から、両者を別種とするまでには至らなかった。
2011年に近畿大学大学院農学研究科博士課程の朝井俊亘氏によって両者の形態的な特徴が調べられ、「北日本集団」が独立した新種キタノメダカOryzias sakaizumiiとなった。(新聞報道は2012年6月) この結果、「南日本集団」はミナミメダカOryzias latipesとなった。
キタノメダカは、ミナミメダカと比べ、(1)オスの背ビレの切れ込みが小さい、(2)ウロコが網目状に黒っぽくなっている、(3)体側後方に不規則な黒い斑点がある、などの特徴がある。
Toshinobu Asai, Hiroshi Senou and Kazumi Hosoya (2011) Oryzias sakaizumii,
a new ricefish from northern Japan (Teleostei: Adrianichthyidae). Ichthyol.
Explor. Freshwaters, Vol. 22, No. 4, pp. 289-299.
モデル動物メダカの実験・観察U 〜生殖行動・発生・遺伝子分析〜
平成26年度SPP AG140264 報告書
https://www.jst.go.jp/cpse/spp/kikan/assets_c/2015/01/ag140264-photo-2014-k1.pdf
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